競馬用語辞典(か行)

競馬用語辞典(か行)

競馬に関する専門用語のご紹介です。

50音順一覧

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外厩(がいきゅう)

トレーニングセンターの外にある厩舎という意味だが、中央競馬において調教師は競馬会よりトレセン内に一定数の厩舎(馬房)を貸与されていて、それ以外に は厩舎をもてないことになっている。ただ、管理する馬の数は貸与されている馬房数より多いため、故障馬や疲れのたまった馬など育成牧場などに預け、馬の入 れ替えを図っており、厩舎によっては同じ育成牧場を使うため、その牧場のことを「うちの厩舎の外厩」などと呼んでいる調教師もいる。

カイ食い(かいぐい)

馬の食欲のこと。「カイ食いが良い(悪い)」というように使われる。カイ食いが良すぎると馬体が絞り切れず太目になるし、またカイ食いが悪いときは体調に問題がある場合が多い。

カイ食いが良くビシビシ追える馬は仕上げやすいが、神経質な馬はカイ食いが細く(悪く)なることが多く、厩舎関係者は牝馬のカイ食いには絶えず気を遣っている。

戒告(かいこく)

レースやその前後の過程で、公正かつ安全な競馬に対する注意義務を怠った騎手または調教師に課せられる制裁のひとつ。制裁の中では最も軽いもので、過怠金を徴収するにはいたらず、口頭で厳重に注意されるもの。

外国産馬(がいこくさんば)

中央競馬ではマル外印のついた馬で、外国で生まれた馬をいう。ただし、日本軽種馬登録協会の繁殖登録を受けており、種付けのため外国に一時的に輸出された牝馬の産駒であって、日本で種付けされ外国で生まれたもので、当歳の12月31日までに輸入されたものはマル外としない、と一般事項に定められている。

昭和46年活馬の輸入自由化実施にともない、競走上いろいろ制限を受けることとなり、競走番組でマル混と指定された競走以外には出走ができない。しかし、ここ数年で競走体系が変わり、すべてのG1に出走できるようになった。

確定(かくてい)

競馬はゴールインして掲示板に着順が出たら、それで着順が決定というわけではない。

入着馬の騎手は後検量を受け、規定以上の増減量がなかったかを検査し、さらにレースが公正に行われたか、進路妨害などの事故がなかったかなど確かめたあと着順確定の運びとなり、着順表示板の上の赤ランプが点灯される。

鹿毛(かげ)

毛色のひとつで被毛は栗毛の帯赤褐色か帯黄褐色で、長毛(たてがみ、尾など)および肢端は濃淡にかかわらず黒色であるもの。

粕毛(かすげ)

一般に暗灰色であるが白い刺し毛が混じっている毛色のこと。

つまり頭部、四肢の下部および長毛(たてがみなど)は原毛色であるが、その他の部分に白色毛が混じっているものである。原毛色の違いによって栗粕毛、鹿粕毛、青粕毛などと区別されている。

壁(かべ)

レース後に騎手の話の中に「直線入り口で壁になって…」などと使われるように、自分の進路の前に馬が並んでいるため出て行くコースのない時に壁になると言っている。

脚を余して負けたときなどによく使われる言葉。

カラ馬

レース中に騎手が落馬して、騎手を乗せずに走っている馬のこと。

逸走したり、競走を中止する馬もいるが、そのままレースに参加する馬もいて「カラ馬に絡まれて」とか、「カラ馬が邪魔になって」などと言われるように、カラ馬がいることで不利を受ける馬も多い。

カンカン

負担重量のこと。

負担重量とはヘルメット、鞭を除いて騎手をはじめ馬の装具など競走馬の上に乗るほとんどの目方のこと。騎手の負担重量を計量する検量室のことをカンカン場と言うが、“貫を看る”場所から貫看(かんかん)場というのが語源とされている。

カンカン泣きという言葉があるが、斤量に敏感で重い負担重量を苦にする馬のことをいう。

関与禁止(かんよきんし)

競馬施行規程第138条に規定されている馬主、調教師、騎手、調教助手、騎手候補者、厩務員に対する処罰の一種。

この処分を受けると、一切競馬に関係できなくなる。競走馬の血統を証明する書類を偽造・変造したり、不正に行使した者、など13項目がその対象となっている。

騎乗停止(きじょうていし)

騎手に対する処分の中でも厳しいもので、戒告、過怠金などより重い制裁。騎乗停止に該当する事項は競馬施行規定145条に明記されているが、一般的には進路妨害などで降着、失格となった場合が多い。

騎乗停止期間中は、中央競馬だけではなく、外国を含む地方競馬にも騎乗できない。

基礎牝馬(きそひんば)

同じ牝系に属する馬のグループを“ファミリー”と呼ぶが、多くの優れた馬を送り出したファミリーの基礎ともいうべき役割を果たした馬を基礎牝馬という。

日本では小岩井農場のビューチフルドリーマー系などはシンザンはじめ数多くのクラシックホースを輩出して有名だ。

厩舎(きゅうしゃ)

厩(うまや)ともいい、馬を入れる建物のこと。一人の調教師が管理する厩(うまや)全体を厩舎ということも多い。

“厩舎作戦”、“厩舎情報”などの言葉はここから出ているもので、厩舎関係者あるいは厩舎サイドといった意味をもってくる。

厩務員(きゅうむいん)

厩舎で馬の世話をする人。トレーニング・センター場長の承認の上で、調教師との間に雇用契約を結んでいる。

原則として1人あたり2頭の持ち馬の一切の面倒をみている。現在、厩務員になるためには、競馬学校の厩務員課程(6カ月)を修了した上で、厩務員試験に合格しなければならない。

兄弟馬(きょうだいば)

馬の社会は人間の社会と違って同じ父を持っても兄弟とは言わない。というのも種牡馬は1年間に何10頭も種付けをすることもあり、これをすべて兄弟馬というと大変な数になってしまうからで、同じ母馬から生まれたものだけを兄弟馬と言っている。

父が同じ場合を全兄弟(姉妹)といい、父が違っているときは異父兄弟または半兄弟という。

斤量(きんりょう)

負担重量のこと。現在は重量の単位はキロを使っているが、初期の競馬は斤(0.6キロ)が単位だったことから、今でも負担重量のことを斤量と言っている。

癖馬(くせうま)

馬自体が何らかの癖を持っているという言葉ではなく、レースや調教でまともに走らない馬をクセ馬と呼んでいる。

ゲートで膠着して出ない馬、直線走路で内にササッたり、外にヨレたりする馬、またコーナーで外に逃げ逸走するなど、騎手の意志に逆らう動きをする馬のことをいう。

口向き(くちむき)

「口向きがいい(悪い)」と騎手のインタビューなどでよく聞く言葉だ。

要するにハミ受けのことで、口向きが悪いという場合は騎手の思い通り馬を操作できないということである。硬口(かたくち)という言葉も口向きの悪いことで、レース中に頭を上げたり、引っ掛かったりする馬がこれにあたる。

クラシックレース

明け3歳馬によって争われる五大レースのことで、桜花賞、皐月賞、オークス(優駿牝馬)、ダービー(東京優駿)、菊花賞を指す。

この五大レースはいずれも英国の1000ギニー、2000ギニー、オークス、ダービー、セントレジャーの五つの大レースにならって創設されたレースである。G1レースの天皇賞や有馬記念をクラシックと呼ぶ人もいるが、本来は3歳の五大クラシックだけをいう。

栗毛(くりげ)

被毛は帯褐黄色(黄色味を帯びた明るい茶色)、長毛は被毛と同色かその色を帯びた白色であるもの。長毛の色が特に淡いものを尾花栗毛といっている。

グレード制(せい)

重賞競走の役割と重要性を広く認識させ、生産界の指標としての重賞競走の位置づけを明確にするために欧米にならい、我が国でも昭和59年度より重賞競走を格付けすることとなった。

「格」を表わす記号として「GRADE」の頭文字である「G」を使用して、GI、GII、GIIIの3グループに分類されている。GI は競走体系上もっとも重要な意義をもつ根幹競走、GII はGI に次ぐ主要な競走で、GIの勝ち馬も比較的容易に出走できる内容をもった競走である。

GIII についてはGI、GII以外の競走である。また、障害競走の格付けはJ・GI、J・GII、J・GIIIとして表記される。なお、平成19年には日本のパートI昇格に伴い、平地競走については、国際格付けを持つ競走をGI、GII、GIIIと表記し、それ以外の競走をJpnI、JpnII、JpnIIIと表記するようになった。

黒鹿毛(くろかげ)

被毛、長毛ともに黒色で濃度も濃く、おおむね馬体全体の3分の2以上におよんでいる。眼の周囲、口辺、腋間、下腹及び股間などは帯褐色である。

経済(けいざい)コース

ムダなくコーナーを走るということで、内柵すれすれに通るコースのこと。

「経済コースをとれたから……」などと好レースをした騎手が話すように、最短距離を走りレースに不利のない時に使われる。

軽種(けいしゅ)

馬の分類で軽種といわれるのは、軽快で競走馬や乗馬に適したもので、サラブレッド、アラブ、アングロアラブ、サラブレッド系種、アラブ系種の五種類。以前は軽種の中に準サラというのもあったが、昭和49年、軽種馬の品種の改訂でなくなっている。

毛色(けいろ)

サラブレッドの毛色は以前は栗毛、栃栗毛、鹿毛、黒鹿毛、青鹿毛、青毛、芦毛の7種と決められていたが、昭和54年ハクタイユウの白毛が認められ現在は8種となっている。

血統(けっとう)

ひと言でいえばその馬の血筋のこと。父、母がどんな馬の系統からきているかということで、一般に血統というとき、「○○の血統」という言い方をし、父馬および母馬の名前を指すことが多い。

遺伝力の強いサラブレッドの場合、血統により馬の性質や能力が予測、判断されることが多く、より速い馬を作る上ではその配合に、多大な関心がはらわれている。この血統を系統づけて記されたものが血統書で、世界各国で出されている。

検疫(けんえき)

家畜伝染病予防法に定められた「輸出入検疫」については、馬の場合、基本的には輸出時には5日間、輸入時に10日間の繋留検査が実施されている。日本での国際レースに出走する外国馬は、参加国との間で取り決められた条件に基づき、5日間の輸入検疫で出走できる。

海外遠征をした日本馬は、帰国後5日間の輸入検疫のあと、3週間の着地検査(観察期間)が必要。ジャパンカップ等の国際招待競走に出走する外国馬については、競馬学校内にある国際厩舎地区が、輸入検疫の施設として使用されている。

また、牧場からトレセンまたは競馬場に入厩する際にも、数時間から1日の間“検疫馬房”に拘束され検査されること(入厩検疫)になっている。

検量(けんりょう)

出走馬ごとに定められた負担重量をチェックすることを検量という。発走の70分前に全騎手が行うのを「前検量」といい、レース終了後に上位7位までに入線した騎手及び裁決委員が特に指定した騎手が行うのを「後検量」という。

この検量をする場所を検量室という。

権利取り(けんりとり)

目標のレースに出走するための権利を取ること。クラシックレースなどでは出走を予定する馬が多いので、収得賞金の少ない馬はトライアルレース(上位2~3頭が優先出走権を得る)に出走して権利を取りに行く。

またハンデ戦に出走するには一定期間に何回(条件によって異なる)か出走しないと登録できないため、目標のハンデ戦を使うために出走することも権利取りという。この場合は勝負にこだわらず使うだけという意味も含んでいる。

減量騎手(げんりょうきしゅ)

見習騎手ともいうが免許の通算取得期間が3年未満であって、勝利度数が100勝以下の騎手に一般レース(特別レースのように斤量の定められたレース以外のレース)において、負担重量を減量する特典が与えられている。

勝ち数が30勝以下は3キロ減、50勝以下は2キロ減、100勝以下は1キロ減の負担重量で騎乗できる。 この減量制度は技術の未熟な新人(若手)騎手がベテラン騎手と同一条件で競走したとき不利になるため、そのハンデとして負担重量を軽くすることで騎乗機会を少しでも多くし、見習騎手の育成を図るために設けられたものである。

当日版(新聞)の騎手欄にある▲は3キロ減を、△は2キロ減、☆は1キロ減を表している。

控除率(こうじょりつ)

馬券(勝馬投票券)の売り上げのうち約75%が払戻金として的中者に還元されるが、それを差し引いた25%を控除率と言っている。このうち10%が国庫納付金となり、15%が競走の賞金はじめ中央競馬会の運営費に充てられている。

なお、単・複馬券では5%が配当に上乗せされ実質は約20%の控除率となっている。

また外国では各国それぞれに異なり、アイルランドの12.5%からノルウエーの40%まであるが、競馬主要国といわれる、イギリス19%弱、フランス17%前後、アメリカ(州によっても違う)16~18%と、日本に比べかなり低くなっている。

国際交流(こくさいこうりゅう)

欧米先進国をはじめオーストラリアなど各国と馬、騎手の交流が行われている。日本からは1956年にハクチカラが初めてアメリカ西海岸に遠征、滞在競馬で優勝している。

近年は数多くの馬が欧米はじめ香港などの大レースにも参戦するようになっている。また、1981年からはジャパンカップを主催し、世界各国から注目されるレースにまで発展し、日本の競馬のグレードアップにつながっている。

5F

5ハロンのこと。普通5Fというのはゴールから逆算して1000メートル地点のことで、1F、3F、4F(半哩)という場合も同じである。

「5ハ」と言うこともあり、レースの前半1000メートルのことを“テンの5ハ”という。また攻め馬で“5F待ち”という言葉がよく使われるが、弱い馬が先行して5F標あたりから併せ馬の形になることをいう。

ころがし

馬券の買い方のひとつ。あるレースが的中したらその配当金を次に買うレースにそっくり買い、さらに的中したら次のレースというように一気に大儲けしようという買い方である。

雪だるま式に増えることから“雪だるま(買い)”とか、単に“だるま(買い)”と言うこともある。

興奮剤(こうふんざい)

競走能力を一時的に高める薬品のこと。競馬の公正を確保する上で興奮剤の使用は厳しく取り締まられており、施行規定で定められた薬品の使用が禁止され、競走の10日前から投与できない。

また、入着した馬およびレースに疑いのあった馬についてはレース後、採尿され理化学検査を受け、興奮剤や鎮静剤の禁止薬物が検出されると失格となる。

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