競馬用語辞典(た行)

競馬用語辞典(た行)

競馬に関する専門用語のご紹介です。

50音順一覧

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待機馬(たいきば)

ある期間レースを開けて出走する馬のことで、夏季中央場所が休みとなり、ローカル(福島、新潟、中京、小倉、函館、札幌)で競馬が行われるが、そのローカ ル戦に出張せず、秋競馬を待つ場合に当てはまる。

また、冬季中央場所ではダート戦が中心に行われており、芝のレースが多くなる春まで待つ馬もあり、この場 合も待機馬といっていいだろう。

対抗馬(たいこうば )

レースにおいて一番力があり中心と見られる本命馬(◎)に対抗できる馬。あるいはそのレースで2番目に強いと思われる馬を対抗馬といい、予想紙では○印で示されている。

叩く(たたく)

競馬用語としての叩くにはふたつの意味があって、ひとつは騎手が鞭(ステッキ)で馬を叩くことで、レース中に気合を入れたり、力を出し切るための補助動作として行う行為で、「叩いても動かなかった」などと使う。

また、「ステッキを入れる」というのも同じ意味である。もうひとつはレースに使うことを表し、「休み明けを叩いて馬体が絞れた」「叩きながら良くなった」というのがこれで、「ひと叩きして…」などよく使われるが、目標の前のレースとか、レース間隔が開いた時に使う言葉である。

種馬(たねうま)

種牡馬のこと。厳密にいえば種牝馬も種馬といってよいはずだが、競馬の社会では産駒に牡馬の影響力が強く出るためか、種馬といえば種牡馬だけをさす。

種牝馬のことは“繁殖牝馬”とか“肌馬(はだうま)”といっている。また、種牡馬を繁殖牝馬に交配させることを“種付け(たねつけ)”という。

単穴(たんあな)

予想評価のひとつで▲印で表されるもの。単勝の穴馬という意味なので、本来は勝つ力を持っているが、条件(ペース、展開)が嵌まらないと惨敗もある、といった馬につけられるべき印である。

しかし、実際には本命馬、対抗馬に次ぐ3番手の馬という感覚でつけられることが多く、▲印と単穴という意味が一致しないこともあり、上位を争う1頭と見る方がいいだろう。

単勝式(たんしょうしき)

一般に“単勝”といっているが、1着馬を当てる馬券(勝馬投票券)のこと。大昔は馬券といえば単勝と複勝だけだったが、連勝式ができてからは配当面で魅力がなく、売り上げも極端に少ない時代があった。

しかし、近年競馬ファンの急増もあって、勝ち馬を当てるという単勝式が大いに見直されてきている。

ダークホース

人気のない馬のことだが、本来は能力のよく分からない馬という意味から出ている。人気馬を負かす可能性のある馬のことで、穴馬とほとんど同じ意味合いで使われている。

一般社会でも不気味な実力を持つ相手という意味で使われる。

ダートコース

芝コースを主体に行われていた日本の競馬だが、その芝コースを保護するために造られたコースで、表面は砂である。

アメリカのダートコースの構造を参考資料として造られたもので、昭和36年(1961年)2回東京戦からダートコースの競馬が行われるようになった。

その後、順次各競馬場にダートコースが造られ、中央場所の中山、京都、阪神はもちろんのこと、砂コースだった札幌もダートコースに変わり、他のローカル競馬場の全てにも造られている。

従来の砂コースとの違いはそのクッションの良さにあり、砂の敷き方(砂の種類、厚さ、粒子の大きさ)が異なっている。また、ダートコースで好成績を上げる馬を“ダート馬”というが、スピードよりパワーの勝った馬で、馬格や血統に負うところが大きいようだ。

ダービー

1780年イギリスの第12代ダービー卿がはじめた競走で、3歳牡、牝による混合レースである。日本ダービーもこれにならって作られたもので、昭和7年(1932年)に第1回が行われた。

日本ダービーの正式名称は『東京優駿競走』という。地方競馬も各地区でダービーというレースは行われ、中でも南関東の「東京ダービー」は有名だ。

また、競馬以外でも「〇〇ダービー」と第一人者を選ぶときに広く使われるようになっている。

父内国産馬(ちちないこくさんば)

サラブレッド系の馬の父が内国産馬(日本で生まれた馬)である馬をいう。

かつては、外国から種牡馬が数多く輸入されるようになって、内国産種牡馬を奨励する意味もあって、番組面でも優遇されていたが、現在は父内国産馬限定戦や、父内国産馬奨励賞などの優遇制度はなくなった。

本紙各馬の能力表の父馬名の前にマル父印のあるのが父内国産を表している。

地方競馬(ちほうけいば)

日本では日本中央競馬会(JRA)が施行する競馬と地方競馬全国協会(NAR)の施行する競馬があり、前者を中央競馬というのに対し後者を地方競馬といっている。

地方競馬は全国各地区に分かれており、北海道、東北、南関東、東海地区などは以前から中央競馬と密接な関係にあるが、’96年(平成8年)からは中央競馬と各地区の地方競馬との交流競走が盛んに行われるようになっている。

着外(ちゃくがい)

本来は本賞金の与えられる5着までを着といい、6着以下が着外ということになる。

ただ、馬券(複勝を含む)の対象となる3着までを着とする考え方が普通で、4着以下を着外ということが多い。本紙も成績欄では1~3着までと着外(4着以下)の回数を項目ごとに表示している。

着差(ちゃくさ)

先に決勝線(ゴール)に到達した馬の鼻先(鼻端で脚や騎手のステッキなどではない)から次の馬の鼻先までの間隔を着差という。

競馬の着差の表し方は独特で、ハナ、アタマ、クビ、以下馬身で表し1/2、3/4、1、1 1/4、1 1/2、1 3/4、2…というように表示され、10馬身以上の差は大差とされる。着差を走破タイムの差で表すこともあるが、0.2秒で1馬身、1秒で6馬身とされている。

中央場所(ちゅうおうばしょ)

中央競馬の行われる10場のうち、東京、中山、京都、阪神の4大競馬場のことを中央とか中央場所といっている。

これに対し、札幌、函館、福島、新潟、中京、小倉を地方場所、あるいはローカルなどと呼んでいる。しかし、中京はG1レースの高松宮記念など行われ中央場所と変わりない扱いになってきている。

調教師(ちょうきょうし)

厩舎の責任者のこと。馬の調教管理(馬を仕上げレースに出走させる)は勿論のこと、所属騎手、調教助手、厩務員など関係者すべてに責任をもたされている。

管理馬の本賞金の10パーセントが進上金として与えられる。以前は騎手が調教師になる習わしだったが、近年は騎手経験のない調教助手から調教師になる人も多くなっている。

調教審査(ちょうきょうしんさ)

初めて競馬に出走する馬は調教状況の審査を受けなければ出走することができない。

これを調教審査というが、平地競走では発走試験(ゲート枠入り及び発走状況)、障害競走では障害試験(飛越の巧拙と走破タイム)に合格しなければならない。

またレースを使われている馬でも、枠入り不良、枠内騒攪、立ち遅れなど発馬に関する再審査。平地で大きくふくれたり逸走した場合、斜行(斜飛)する悪癖馬、規定時間内に入線できなかった馬などは調教不十分で再審査される。このことを調教再審査という。

調整(ちょうせい)ルーム

各競馬場、美浦、栗東のトレーニングセンターに設けられた騎手の宿泊所。

競馬の公正を確保するためと心身の調整を図ることを目的とし、騎手を外部との接触から引き離し、開催日の前日18時までに騎乗予定者の全員が入室することになっている。

各自の個室のほか減量用の浴室(サウナ)、娯楽設備などもある。

使い減り(つかいべり)

レース間隔を開けずに、中1週とか連闘で連続的に使ったときに調子を落とすことで、馬体重が一戦ごとに減少することから使われるようになった言葉。

また1度使うと消耗が激しく続けて使えない状態で、レース間隔を開けなければならないような馬の場合にも「使い減りして…」などと使う。

細身の牝馬などにはこのタイプの馬が多い。逆に間隔を詰めて連続して使える馬のことを“使い減りしない馬”と言っている。

ツル頸(くび)

パドックで歩いているときなどに頸を鶴のように曲げている状態をいう。

神経を高ぶらせている馬によく見かけるが、一見、気合に満ちあふれ、いかにも走りそうな印象を与えるが、馬の気性の現れで、競走能力とは関係ない。

蹄鉄(ていてつ)

馬の蹄(蹄負面)に打ち付ける金属で作製したものを言い、かつては、調教用と競走用とに区分され、調教時には鉄および軽合金材から造られた蹄鉄を使用し、競走時には、競走ニウム蹄鉄といわれる競走専用蹄鉄に打替(交換)されていたが、打替を頻繁に行うと蹄が傷むなどの不利があった。

そこで、調教時および競走時の両方に使用できる兼用蹄鉄が開発された。これは、アルミニウム合金材から造られ競走前後の打替を必要としない。現在ではほぼ100%の競走馬が使用している。蹄鉄をつけたり、取り替えたりする人のことを装蹄師と言う。

出ッパ

発馬のことで「出ッパが悪い」といえばゲートの出の遅い馬や、二の脚のつかない馬のことで、逆に素早く飛び出す馬を「出ッパがいい」という。

テン

「テンが速い」とか、「テンから追う」というように、よく使われる競馬用語で、最初という意味合いを持つ。

使い方はいろいろあって、テン乗りといえば初めてその馬に乗ることだし、テンの3ハロンといえばスタートから最初の3ハロンのことである。

天狗山(てんぐやま)

調教師が調教を監視する場所のこと。昔は馬場の出入口近くにスタンドと並んで人工の小高い山を作ってその上の10人ぐらいは入れる小屋で攻め馬を監視していた。

そこでは自分の厩舎の馬の自慢話などが出たことから天狗山と称されるようになった。現在、美浦、栗東のトレーニングセンターでは調教を見る立派なスタンドで監視しているが、ここを天狗山といっている。

また、騎手や調教助手などが調教時に控えている所を小天狗(こてんぐ)と呼んでいる。

同着(どうちゃく)

2頭以上の馬が同時に決勝線に到着し、決勝写真をキャビネ判まで引き伸ばしても判定ができない場合に同着となる。同着の時の賞金は、例えば1着が2頭同着の場合1、2着の賞金の合計を折半する。

また、賞状や賞品は同じ物を双方に渡すことになっている。連複馬券では1着同着の場合は関係ないが、単勝は両馬とも的中となる。

2着が同着なら連複馬券も2通りが的中となる。これはあくまで2頭が同着の時のことで、3頭以上が同着ということもあり得る。

特別(とくべつ)レース

〇〇特別、〇〇ステークス、〇〇賞などレースに名前が付けられている競走はすべて特別レースで、一般条件レースと異なり、特別登録を必要とする競走である。

また、G1~G3など格付けされている重賞レースも特別レースに含まれる。

栃栗毛(とちくりげ)

栗毛の中で被毛がやや黒みがかった馬で、こげ茶色といった感じの毛色の馬。

たてがみ、尾などの長毛は被毛と同色かその色を帯びた白色である。

トライアル

トライアルレースともいい、5大クラシック(皐月賞、ダービー、菊花賞、桜花賞、オークス)及び秋華賞、NHKマイルカップの前に行われるレースで、競走名とともに「○○トライアル」と記されているレースのこと。

このトライアル競走の上位馬(競走ごとに定められた2着または3着)には優先的にそのレースに出走する権利が与えられている。

トレーニングセンター

一般に「トレセン」といわれ、競走馬を1カ所に集めて合理的に調教する場所で、競走馬と厩舎関係者の一大団地ともいえる。

昭和44年に滋賀県栗東町(当時、現在は市)にはじめてトレーニングセンターが完成し関西馬が集結した。その後昭和53年に茨城県美浦村に関東馬が集まるトレーニングセンターが完成、中央競馬の馬はこの二つのトレセンに集結している。

また、現在は地方競馬にもいくつかのトレーニングセンターもできているし、「トレセン」と呼ばれる本格的な調教(仕上げに必要な攻め馬)施設を持つ民間の育成牧場も多くなっている。

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